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板橋な人
はらから東京の会 代表 武田仁さん
みずみずしく青々とした豆腐。障害を持った子ども達の情熱
「とうふ工房・大谷口の家」をご存知でしょうか?
障害を持った方が、生まれ育った板橋で、とうふを作りながら、
自活出来るようになるのを目指す、作業所があるんです。
代表の武田仁(まさし)さんに、お話を伺って来ました。
中央 武田仁さん
(中央)武田仁さん



自立に向けての懸命な彼らの努力を見るにつれて、

---大谷口にとうふの工房を作るまでに、どのような経緯があったのでしょうか?
障がいを持つ人達のための作業所を作ろうと、
昨年秋に「はらから東京の会」(現在会員85名、NPO申請中)を立ち上げました。
最初にぶつかったのが、場所探しだったんですね。
この作業所は、元陽光保育園の園長さん5(現理事長)のお宅だったんです。
園長さんが、「家も空いたことだし、地域に役立つような使い方が出来ないものか?」
と、思っていたところに、私どもの作業所の話を耳に入れ、
お貸しして下さったんです。

外観---作業所をやろうとするきっかけはなんだったのでしょうか?
私は、板橋区で33年間教師をやっていました。
良い教師になりたいな!と、思ったのが、
障害児教育との出会いだったんですね。
障がいを持った人たちとのつきあいが始まり、
自立に向けての懸命な彼らの努力を見るにつれて、
何か、手伝いができないかと思い始めました。
そうしたところに、
心強いパートナー
(現在「とうふ工房・大谷口の家」施設長・中川守氏)
とも出会い、
定年3年前に退職し必要な準備をして、
今年の3月19日に正式に「とうふ工房・大谷口の家」の開設となりました。

---とうふ工房で作られている、とうふの特徴とは、何でしょうか?
宮城県の社会福祉法人「はらから福祉会」さんから、
宮城県の契約農家で栽培された大豆100パーセントを使った豆乳を送ってもらい、
ここで天然のにがりを加え、5種類の豆腐を作っています。
ずんだ餅でも使われている青ばた大豆の豆乳から作る「青ばたとうふ」が人気です。

---とうふの難しさなどは、ありますか?
とうふは、4樽作ったら、4樽全部味が違うんです。
しかも手を抜くと、すぐ味が落ちます。
ここで働いている障がいを持つ人を含めて、全員で完成品を試食しています。
すると、みんな、微妙な味の違いを感じてくれるんです。製作風景
それぐらい、とうふは奥の深いものなんですよね。
何でもそうでしょうが、愛情を込めて作ることが大事ですね。

---技術面でこだわっておられるところなどはありますか?
障がいを持つ方と言うのは、数字にものすごく強い人もいれば、すごく弱い人もいるんです。
その人の適正に合わせるようにしています。
時間を的確に計ったり、個数を数えたり、シールの日付を確認したり、みんな一生懸命ですよ。

障がいを持つ人たちの働く場の確立が大前提ですが、
バー

製作風景---とうふ工房さんのモットーとは何でしょうか?
障がいを持つ人たちの働く場の確立が大前提ですが、
そのためにも顧客満足を一番に考えていますね。
「とうふ一丁からお届けします!」と宣伝しています。
そして、「買って下さる方達のために、自分達は何をするのか?」をみんなで確かめ合っています。
例えば、言葉遣いが荒い子には、それを「だめ!」と言うのではなく、
「それを聞いたお客さんが、嫌な思いをするでしょう?」と、言っています。
少しでも、「自立」に向けた活動の援助ができたらいいと思っています。

---「大谷口の家」というネーミングの由来はどこから来たのでしょう?
最初は色々と考えたのですが、ここでの仕事は、とうふ屋をやる事なのですが、
理想はもっと大きく持とう、と。
とうふ屋を超えて、様々な、人達の拠り所にしようと、
そういう気持ちを込めて、「家」と名づけました。

---障がいを持つ方との関わり等でのエピソードなどがありましたら。
障がいを持つ人たちの小規模作業所と言うものは、全国に約8000箇所もあるんです。
しかし、作業内容は企業の下請け等が多く、平均賃金が一万円にもならないのです。
板橋でもほぼ状況は同じですね。
私どものところは、丸々一ヶ月働いて、現在約2万円というところです。
支援してもらっている宮城県の社会福祉法人「はらから福祉会」は、
170名の障害を持つ人たちに6万5千円まで賃金保証しています。
主力商品が「とうふ」なんです。そことの縁もあり、私どもも、
とうふを作る中で、障害を持った人たちが、
1人でも生まれ育った仲間や家族のいる地域で自立をめざして生きて行けるように、
サポートしたいですね!

1回買った人が、「美味しかった! 待ってたのよ」と、
バー

売り出し風景---そして、大谷口の町で、とうふを売られているんですねえ。
注文を受けての配達と店売りの他に、
大谷口の周辺地域にリヤカーでの引き売りもしています。
1回買った人が、「美味しかった! 待ってたのよ」と、
言ってくださると、本当にうれしいですね。
障がいを持っている子も、表情が変わるんです。
ああ。これならやっていける!と、
手ごたえを掴んでいます。
まだ、やり始めて2ヶ月ですが、やり始めて、本当によかったな!と、思っています。

---今後の「とうふ工房」さんで、実現されたいこと、進められたい事などがありましたら。
障がい者と共に生きて行ける地域づくり、
人間に優しい地域づくりという提案を発信していけたらいいと思っています。

---板橋区民の方に、メッセージを何かお願いします!
障がいを持った方達が、生まれ育った愛すべき板橋で、
活き活きと仕事をし生活していけるよう町づくりを共に進めましょう。
そんな活動を応援する「とうふ屋」であり続けたいですね!!

---ありがとうございます!

プロフィール

「はらから東京の会代表」
武田仁(まさし)さん


障がい者と共につくる・生きる
”とうふ工房・大谷口の家”

〒173-0035
東京都板橋区大谷口1-20-3
TEL/FAX 03-6908-1518

地図

障がいを持っている人たちと共に働き、
共に生きがいを持って生きられる地域社会をめざし、
宮城県の社会福祉法人「はらから福祉会」
の支援を受け、板橋に、「はらから東京の会」を設立しました。
「はらから東京の会」は、「とうふ工房・大谷口の家」を運営し、
宮城蔵王の大豆ミヤギシロメと宮城蔵王おいしい水を減量に、
「蔵王よせ豆腐」を製造します。
ぜひ「はらから東京の会」の趣旨にご賛同いただき、継続的にはらから製品をご愛用いただきますようお願いいたします。

ある程度の数がまとまれば、
はらから製品を自宅や職場にお届けいたします!



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