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板橋な人
サックス奏者 加藤朝雄さん


太平洋戦争が終わり、日本にジャズが入って来た。
チャーリー・パーカーの録音に触れて、ジャズに目覚めた人がいます。
日大病院の前に住み続け、60数年。サックスをひたすら吹き、46年。
日本のジャズ創成期から吹き続ける、ジャパニーズジャズジャイアント。

サックス奏者 加藤朝雄さん
加藤朝雄さん



チャーリー・パーカーの、「サマータイム」の演奏を聴き、カルチャーショックを受けたんですね。

---加藤さんは、どのようにして、サックスの世界に入られたのでしょう?演奏姿
僕は、学芸大学付属の中学校に在学していたんです。
その時に、ブラスバンドをやっていまして、トランペットを始め、アルトサックス、
テナーサックスを、その頃からやっていました。
だから、もう、45〜6年吹いているのかな?(笑)

---サックスをその中でも吹こうと思われたきっかけは何だったのでしょう?
ジャズの花形楽器ですからね。
今でも、私は、チャーリー・パーカーが大好きなんです。
彼の曲は、ほとんどやっていますよ。
彼の、ジャズ様式は、バップ又は、ビバップと言うものですが、
それも、僕は好きだったんですね。
それで、サックスに転向して、本腰を入れたんです。

---ジャズを好きになられたきっかけと言うのは、何だったのでしょう?
当時、「グレンミラーストーリー」や「ベニーグッドマンストーリー」
などのジャズの映画があり、ますます好きになった事と、
僕の父が、持っていたレコード(SP盤)の中で、
チャーリー・パーカーの、「サマータイム」の演奏を聴き、
その曲がとても素敵で、カルチャーショックを受けたんですね。
それがジャズの魅力に引き込まれたきっかけでしょうか?

---どのような学生生活だったのでしょう?
主に、ジャズばかりを聴いて、吹いていました。
高校時代から、アルバイトで、色々な所のハコで吹いていましたよ。
良いアルバイト代になりましたよ。サラリーマンより稼いでいたんじゃないかな?(笑)

ジャズプレーヤーには、メジャーもマイナーもないんですから。
バー

---サックスの難しい面や特徴というのは、何なのでしょうか?

演奏姿楽器は、それぞれの難しさがありますが・・・
サックスと言うのは、割と新しい楽器なんですね。
ベルギーのアドルフ・サックスという人が、出来るだけ、人の肉声に近い楽器を作ろうというコンセプトで、一生懸命作ったものなんです。
声楽にも、色々な声質があるように、サックスも、何種類もあるんですよ。
制作者の名前を取って、サックス(人名)+フォーン(音)で、正式には、サクソフォーンと名付けられました。
略して、サックスと言うんですね。トランペットをペットと言うようにですね。

---加藤さんの中で、忘れられないライブなどはありますか?
友達には、山下洋洋輔(p.f)や渡辺文男(Drs.)さんなど、メジャーどころがたくさんいるのですが、僕自身は、メジャーデビューはしていません。
ライブハウスや、クラブ、キャバレー、タレントのレコーディング、そしてディナーショウ等で活躍しています。
よく、「メジャーデビューしていないんだねー。」って言われます。(笑)
ジャズプレーヤーには、メジャーもマイナーもないんですから。
曲には、メジャーマイナーがありますけれどね。(笑)
あまり、これ!と言った特別な演奏はないかな?
毎回毎回が、即興演奏の世界ですから、一度宇宙へ放たれた音は二度と帰って来ません。

---ちなみに、加藤さんは、生まれも育ちも板橋なんですか?
僕は、生まれて67年ですが、日大病院の手前にずっと住んでいますね。
丁度、太平洋戦争の頃でした。終戦を、5歳で迎えて、翌年に小学校に入りました。
5歳でしたから、戦争の恐さは、良く覚えています。
向原の方から、たんかに担がれた血まみれの病人が運ばれて、
途中で死んで行くんです。その日大病院も、焼夷弾で被爆しましたから、
今度は、豊島病院へと・・・
大変な修羅場でした。その光景が目に焼き付いています。

---板橋の生活の中でも、想い出深いものはありますか?
今は取り壊されてしまいましたが、大谷口の水道タンクですね。
タンクの周りでは、良く遊びましたね。懐かしい想い出です。
日大病院の裏手の方は、ずっと畑だったんです。
戦争が終わってからの生活が大変だった事も、良く覚えています。

やはり、楽器はどこまでやったら良いというものではありませんから、
バー

---サックスプレーヤーとしての加藤さんに迫りたいと思うのですが、どのくらい、

毎日吹かれているのでしょう?談話風景
特に、時間を決めてやっている訳ではないのですが、
一度吹き始めると、4,5時間はやっていますね。
やはり、楽器はどこまでやったら良いというものではありませんから、
きりがないんです。終わりがないんですね。
トレーニングをおこたると、衰えていくのも早いものです。
それを維持する努力というものが、最低限必要となってくるんです。
美しい音の探求を、常に心がけて練習していないと、目に見えて劣化して行きますから。

---演奏時に、大切にされているものなどはありますでしょうか?
ジャズと言えば、即興演奏ですよね。
しかし、まず主題がありますよね。
クラシックもそうですが、メロディーがあって、バリエーションに発展して行くわけです。
常に、主題のメロディーラインを頭に入れて、アドリブを発展させるのが、
楽しいところであり、難しいところです。
他には、主題のメロディーを完全に壊すアドリブもあるのですが、
僕は、主題のメロディーを大切にして発展させて演奏するように努めています。

---今後の活動の方向性などがありましたらお願いします。
タレントのレコーディングに参加したり、
コンサートやディナーショウで吹いたりするのが、
主な収入源です。自分の音楽を打ち出して、皆さんに聴いてもらいたいんです。
遊座大山商店街で定期的に企画されている、ジャズコンサートにも、積極的に参加していますので、是非一度、聴きに来て下さいね!

---最後に、板橋区民にメッセージをお願いします!
もっと多く、情操的な面に、触れて欲しいと思っています。絵画でしたり、音楽でしたり、
伝統芸能(落語・講談・民謡等)でしたり。
特に、僕は音楽をやっているわけですから、音楽に関心を持つと同時に、
それを育てて行くような気持ちを持ってもらいたいというのが、強い願望です。
若いアーティストの卵達を、皆さんで、育んでもらいたいというのが、一番の願いですね!
もちろん若くない人も同様に。(笑)

---ありがとうございます!

プロフィール

サックス奏者 加藤朝雄さん

Funk Fellow Orchestra 代表

1939年生まれ。
アルトサックス・テナーサックス、フルート
を独学でマスターし、
19歳でプロデビュー。

山下洋輔、渡辺文男、故武田和命など、
共演者は多数。健康上の理由で、
一時第一線を退くが、カムバックを果たし、
現在もライブハウスやコンサート等で、
精力的に活動を続ける。
自由奔放でユーモアのあるアドリブは、
多くのジャズファンに親しまれる。

1965〜70年頃には、
スウィングジャーナル(音楽雑誌)の、
国内ジャズアーティストの人気投票で、
上位にランクされた。
愛娘の”TINA”は日本の、
R&B(リズムアンドブルース)シンガー
としてメジャーデビューし活躍中であり、
その為か若者達の間でも、
”TINAPAPA”として熟年層のみならず、
若いファン層にも支持されている。










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