・・・まず、『はぴくす』さんの名前の由来をお聞かせください。
『ハッピー』と『リラックス』からとりました。
お店に来ていただいたお客様に、まず『リラックス』していただいて、そして幸せな気持ちになっていただきたい『ハッピー』な気持ちになって頂きたいということから、『はぴくす』と名づけました。
・・・“はぴ”はハッピーだと分かったんですが、“くす”が分かりませんでした。納得しました。(笑い)それでは、開店にいたる経緯などからをお聞かせください。
私は、システムエンジニアをやっていたんですが、毎日午前様という生活をずーとやっていて、一人目の子どもが生まれたときは家庭を顧みず仕事オンリーの生活でした。
うちは共稼きで、家内も仕事を続けたいと言っていたので、二人目が生まれるときにこのままでは、さすがに無理ということになったんです。
私の仕事の業界も将来性とかを考えると、35歳定年制という言葉もあるぐらいの業界だったので、一度見直そうということで、二人目が生まれる前に仕事を思い切って辞めました。
そのあとすぐに職業訓練校に入って、6ヶ月間の起業コースに入りました。
2度目の出産が間近かだったので、1ヶ月間主夫をやったんです。
だめだめ主夫だったのですが。
・・・そのとき最初のお子さんは何歳だったのですか?
3才でした。
会社を辞める前は、部署を変わっていたので、時間が取れるようになっていました。
それで、ようやく子どもとのコミュニケーションが取れるようになったんです。
生活を家庭にシフトしてきたんですね。
訓練校に通いながら、新しいビジネスを展開できないか?と考えたんです。
最初はシニア向けカフェを考えたりしたんですが、
そうこうしてるうちに、コミュニティビジネスというものに出会ったんです。
金儲けだけではなくて、
コミュニティビジネスが自分には合っているんではないかと思ったんです。
コミュニティビジネスのシニア向けカフェということです。
それから、杉並区立の『敬老館』やオーガニックカフェで働かせていただいたんです。
・・・なかなかの行動力ですね。
でも、コミュニティといいながら
シニア向けカフェとなると、自分のなかに違和感がありました。
私自身が育児というものに積極的にかかわるようになって、
ママさんのお友だちが増えていったんです。
そのママさんたちとの会話の中で、
シニア向けじゃなくて、私たちのためのお店を作ってよなんて言われたりして、
はたと気がついたのです。
自分の得意分野をいかそう。自分のやりたいことをやろう。
そうすると育児なんですよ。
それから、色々なキッズカフェなどを見に行ったのですが、
ほとんどの店が、育児世代だけでその他はシャットアウトしているんです。
これも違うんじゃないかということで、
じゃあ育児とシニア両方に門戸を開いて、
自分の得意分野の育児と、勉強してきたシニアという部分で、
講座を開いたり、核家族化でおじいちゃんおばあちゃんに会えないお子さん、子どもとなかなか交流がもてないおじいちゃんおばあちゃんの架け橋になりたいと思ったんです。
それを解消するお店、世代間交流を仕掛けていきたいということで、この店を開くことに決めたのです。
・・・開店にいたるまでのエピソードなどありましたら
自己資金が潤沢でなかったので、最初はこんなお店を作るなんて夢のようでした。
特別な融資に出会えたこと。融資の問題がクリアできたことが大きかったですね。
あと、出逢いというものが大いに助かりました。
起業をした人たちが中心の勉強会に出会えたこと。
その勉強会で、自分のプランがどんどんブラッシュアップしていったこと。
オーガニックレストランでアルバイトしたんですが、そこでの経験やネットワークも役に立っています。
・・・6月15日に開店しましたが、そのときのエピソードなどありましたら。
積極的な宣伝をしていなかったんですが、お客様も多少は来てくれるだろう。
と、高をくくっていました。
開店前には、何人かは並んでくれているのではないかと、思ったんですが、
開店直後は、どなたもいらっしゃらなくてガラガラでした。(笑い)
ようやく開店15分後に、通り掛かりのお客様が入ってくれて、
30分後に、お友達の方が何人かいらっしゃって、ようやく店の体をなしましたが・・・。(笑い)
・・・開店から一ヶ月近くたちますが、お客さんの入りはどうですか?
まだまだです。
料金システムが分かりづらい面もあると思います。
リピーターのかた、口コミでのお客様が多いですね。
お店の設備やお料理、サービスのレベルとしては、非常に高いと自負しているのですが・・・・
・・・お店のこだわりなどありますか?
店には、3つのこだわりがあります。
1に、食のこだわり。オーガニックな食材を使ったり調理法にこだわったり、特にお子様の健康には配慮しています。
2に、空間(施設)のこだわり。絵本や育児書、交流スペース、授乳やおむつ替えの出来るママ用スペースなど。
テーブルや椅子は丸みがあるとか、やわらかいとか、自分で探してきました。
おもちゃや遊びの空間は、専門家の方にプロデュースしていただきました。
絵本も400冊ぐらいあります。高いので中古やいただいたものかほとんどです。
3に、セミナー。育児や女性。シニア向けの講座など・・・
午前中に子育てに関係なく魅力的なセミナーを考えています。
スキンケア系として「石鹸の作り方」、クッキング系、絵本の読み聞かせライブ、など
・・・お客さまはどのような方が多いですか?
圧倒的に、おかあさんです。お子さんも就学前の子がほとんどです。
団体さんでいらっしゃるお母さん方が結構多いのですが、駅の方から10数台のベビーカーの隊列が歩いている姿は壮観でした。(笑い)
自転車でこられるお母さん方もおおいのですが、ママチャリが並んで走っている様子もなかなかのものです。
(笑い)
・・・高齢者の方はどうですか?
最初は飛び込みで何名かは入ってきていただきましたが、いまはほとんどいません。
これからの課題ですね。講座とか開いて・・・・
・・・これからの夢や目標などがありましたらお聞かせください。
まずは、この店を成功させることです。
このような店が色々なところに出来たらいいなと思います。
僕がやるやらないに限らず、
この店がモデルケースになればといいな思います。協力は惜しまないつもりです。
それと、板橋が誇れる店にしたいと考えています。
区のコミュニティビジネスコンテストで最優秀賞を頂いたのをはじめ、
区の育児支援事業の、“赤ちゃんカフェ”認定店第1号にもなりました。
おむつ替えのできるスペースがある・授乳室がある・禁煙(分煙)などの条件が必要ですが、そういう飲食店はいまのところゼロなんです。
ボローニャこども絵本館の“まちかど絵本館”にもなります。
東上線の玄関口として、宣伝できるスペースを提供してもらえないかということで、絵本を提供していただきます。
個人と区との連携のモデルケースにしていき、
区の誇りとして恥ずかしくない店にしていきたいと思っています。
・・・ありがとうございました。