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板橋な店
お菓子工房 アトリエまえの
福祉のわくを超えて、美味しいケーキを作り続ける
『第3回ユニバーサルベーキングカップ』焼き菓子部門(オレンジのシフォンケーキ)で大賞を受賞した前野福祉園『お菓子工房アトリエまえの』の生活支援員、阿部奈穂子さんにお話を伺いました。
阿部奈穂子さん
阿部奈穂子さん


  やるからには、福祉だからというのではなくて、“美味しいから買う”といわれるぐらいになろう
バー

○最初に『お菓子工房アトリエまえの』の開店の目的・経緯からお聞かせください。
前野福祉園は知的障害を持った方たちの通所の授産施設で、皆さん通ってこられて、日中仕事をしています。
仕事をしたぶんを、給料として支払います。
お菓子を始める前は施設の中で内職の仕事をしていたのですが、内職だと単価が安く、何十銭という単位で1000個作っても数百円にしかならず、本当に安いんです。
それに長い期間やっていると飽きてしまいます。

もっとたくさん給料がほしい、という希望があり、
皆さんに何をやりたいのか聞いたところ、お菓子を作りたいという声が多くありました。
うまくいけば稼げるかもしれないということと、作業種の一つとして、
じゃあ頑張ってやってみようということで始めました。
やるからには、福祉だからというのではなくて、
“美味しいから買う”といわれるぐらいになろうということで、
きちんとしたプロの先生に指導していただいています。
今でも、美味しくて、作りやすいお菓子を考えていただいています。

今までの仕事に比べると、ケーキが出来あがっていく様子が
視覚的にわかりやすいことと、食べたお客様から「美味しかったよ」
といってもらえることが自信になって、やり甲斐を見つけやすいというところが、
この施設には合っていたように思います。

○アトリエまえのはいつから始められたのですか?
平成16年の4月からですから、今年の4月で丸4年になります。
よく頑張ってこれたと思っています。


○最初はいろいろとトラブルなどあったんではないですか?

準備はかなりやってきたつもりでいたのですが、 いざ注文が入ってきて、作り始めたら、ケーキが膨らまないとか、焦げたとかでお客様に待っていただいたり、右往左往したりしました。
船出に関しては前途多難でした。

みんながどの程度出来るのか? ガスや包丁が使えるのか?
など、分からないことや戸惑いが多かったですね。
「包丁使ったことある?」「ガスはいじったことある?」などいろいろと聞きながら試行錯誤しながら今に至っています。
今は、慣れてきて手際よく出来るようになりました。
職人の域に達していると思います。

○何人ぐらいの方が携わっているんですか?
常時7〜8人の方がいますが、立ち仕事なんで1日通してはつらいという方もいるので、
半日とか週1回とか、その人その人に合わせてローテーションを組んでやっています。
そのような人たちを入れると15人ぐらいでやっています。

何かの間違いじゃないの?と、舞い上がってしまいました。(笑い)
バー

○コンテストには、どういうきっかけで出たのですか?

ご存知の通り、うちは店舗を持っていないんです。
木曜日に福祉園の前で売るのと注文販売だけだったのですが、周りの方から美味しいからもっと宣伝をしてみたらどうかという声と、園長からの、こんなコンテストがあるけど出てみない!という声をかけで、軽い気持ちで出てみようか、ということで参加しました。

大会の1次審査・2次審査をとおって本選(6団体)に残ったときは、それだけでも嘘じゃないかと思ったのですが、大賞ですから信じられませんでした。
何かの間違いじゃないの?と、舞い上がってしまいました。(笑い)

○審査員の方の評価はどうでした?
軽量する人・材料を切る人・生地を作る人・仕上げる人がいてという具合に
分担して作り上げているのですが、
一人一人がすごい自立して、ここまでのことが出来るんですね。と驚いていましたし、
味もプロに負けない美味しさだと言っていただきました。
試食のオレンジシフォンを、美味しいといって全部食べた審査員の方もいらっしゃいました。
オレンジシフォンケーキで大賞をいただいたのですが、オレンジを絞って生地に混ぜて、皮は2日間弱火で煮て使っているんです。
材料を無駄にしない使い方、一人一人の技術、美味しさで大賞をいただけたと思います。

障害を持っている方でも、ここまでのことが出来るんだということを知っていただきたい
バー

○お菓子を作る際のこだわり等はありますか?

安心・安全・美味しいお菓子を作ることにこだわりを持っています。
国産の小麦、バターはカルピスバターを使っていますし、卵も新鮮なものを使っています。
添加物等も使っていません。
そのお菓子お菓子にあった素材を使っています。
商売するからには、福祉という枠から外れて、本当に美味しいから買っていただけるものを作ってお客様に喜んでいただけるようにしたいと考えています。

○ここのお菓子は安いですよね。そこまでの材料を使って利益は大丈夫ですか?
そうですね、企業努力をしています。(笑い)
原材料(お菓子の材料全て)が値上がりしているので苦しいのですが、
時期を見て値段も見直したいと思っています。

○どのようなお客様が多いのですか?
やはり近隣のかたが多いです。
美味しいからと、定期的に買いに来てくれるお客様もいらっしゃいます。
口コミで広がっていくのがやはりいちばんうれしいですね。

今は新聞に掲載されたので遠方から来てくださるお客様もいらっしゃいます。
注文発送もしているのですが、おかげさまで日本全国から注文が来ています。
新聞に掲載されたときは事務所の電話がなりっぱなしで、マスコミの力はすごいです!


○今、予約が多いと聞きましたがどのぐらい待ちますか?

2月の20日過ぎまでは予約でいっぱいです。
どうしても作る量に限りがありますので、申し訳ないのですがお待ちいただいてます。
今はマスコミのおかげで注文がおおいのですが、それが去ったあとはどうなるんだろうと心配しています。
先週も木曜日の店頭販売では、あっという間になくなってしまいした。

○今後の夢や目標をお聞かせください
一番の夢はお店を持つことです。
障害を持っている方でも、ここまでのことが出来るんだということを知っていただきたいことと、 差別や偏見を少しでもなくすツールになれたらいいな〜と思います。
スポンサーになる企業さんが出てきてくれればいいんですが、難しいですよね。

○いたばし区民の方へ一言
前野福祉園は、アクセスも悪くお店もないのですが、
美味しいお菓子を召し上がりたいと思う方はぜひ起こしください。
販売(毎週木曜日、午後1時から)のときは、利用者の方も一緒に販売をしています。
お客様と触れ合う、係わることが彼らは楽しく、
美味しいねと言っていただけることが彼らの励みにもなります。
お待ちしております。


○ありがとうございました。           

 




お菓子工房『アトリエまえの』

お菓子工房『アトリエまえの』

【住所】
板橋区前野町4-16-1 前野福祉園

【電話】
03-5392-8731

【FAX】
03-5392-2070

【定休日】
土・日・祝日

○店頭販売
毎週木曜日 午後1時から

○MENU
・シフォンケーキ(1/8カット)
プレーン、コーヒー、シナモン 220円
オレンジ、アールグレイ、チョコ 240円
抹茶 270円
メープルウォールナッツ、チーズ 300円
・シフォンケーキ(1ホール)
プレーン、コーヒー、シナモン 1,760円
オレンジ、アールグレイ、チョコ 1,920円
抹茶 2,160円
メープルウォールナッツ、チーズ 2,400円
・マドレーヌ 5個 400円
・フロランティーヌ 6個 500円
・ブラウニー 3個 300円
・コーンフレーククッキー 90g 250円
・チョコチップクッキー 90g 250円
・ガトー(アナナス、オレンジ、ティー) 大900円、小350円、スライス120円





○自主制作販売商品
・さをり織り

手織り機を使い、糸の種類・織り方など織る人の自由な発想のもと織り進めます。
織り上がった個性豊かな反物から製品に仕上げていきます。製品は、世界に二つとない、オリジナルのオンリーワンの作品です。

・ビーズ手芸品



       


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