○お店はいつから始められたのですか？
８年前の２０００年の４月２２日に始めました。
以前はスーパーを経営していたんです。
義父が病気で倒れて、寝たきり状態になったんです。
二人とも仕事を持っているもので、食事は宅配の物を頼んでいたんですね。
ところがまずいって言って全然食べないんです。
私どもがうちに帰ってきて、食事を作ると美味しいといって食べるんです。

自分の家で作る料理がやっぱり美味しいんだ。
そういうことを強く感じ始めて、
そういうお店が出来たらいいなと想い始めていた矢先です。
商店街にあった惣菜のチェーン店が撤退するというので、
その後をうちが借りました。
中身を少しだけ改装するだけで済みました。
上板橋に住んでいたので、お店を持つなら上板橋しか考えていませんでしたので、
タイミングが良かったですね。

１人暮らしのお年寄りが、自分で食事を作ると言うのは大変な事なんですね。
お年寄りがお店に来て、少しでも買ってくれて、美味しく食べてもらえれば、
いいなと思って始めたんですよ。それも自分で作るよりは安く・・・
本当は年寄り向けに始めたんですよ。

○これから老人が増えていくので、重宝されるんじゃないですか？
今は、デイケアで朝昼晩とお弁当の配達をやっているんですけど、
ご飯はやわらかめにとか、おかゆがいいとか注文がいろいろあるのです。
なかなか対応が難しいのですが、美味しいといってくれるので頑張ってやっているんですよ。

○お店に来るお客さまはどのような方が多いですか？
近所の会社に勤めている方で、女性の方が多いですね。
なかなか自分では作れないもの、卯の花やひじき・ゴーヤ、他、煮物系は評判がいいですね。
主婦の方も夕方になると惣菜を買いに来られますよね。
「これどういうふうに作るの？」作り方とかを聞かれる方もいらっしゃいますよ。

○いたばし健康づくり協力店にもなられてますが・・・
今、食育ということが大きく取り上げられていますよね。
小学生でも朝食を食べない子どもが数多くいるようで・・・
食生活が乱れているなかで、少しでも協力・お手伝いできればいいなと思って協力店にもならしていただいていますし、健康づくり協議会のメンバーにも入って、“健康づくりはぐりん通信”にメニューを作ったりしています。
いっぴんの店では、うちとマルフクベーカリさんが入っています。

○惣菜のお店ですが、チェーン店やスーパーが近くにありますが競争が厳しくないですか？
その日の野菜を見てメニューを作っているんです。これはチェーン店にはまねができませんよね。
それと、お客さまとフランクに付き合える関係を大事にしているので、気持ちのこもった対応・料理を心がけています。
うちとしてのマイペースというのか、それがうちの色ですから大事にしています。

毎日来てくれるお客さんも結構いらっしゃるんです。
「毎日来て飽きないですか？」と聞くんですが、「おかずやさんのは飽きる事がないよ」とおっしゃってくれるんですね。
嬉しいですね。その一言がまた励みになるんですよ。

○サバの味噌煮がいっぴんに選ばれていますが、やはりこだわりを持っているんですか？
今の味を出すまでには、試行錯誤がありましたよ。
やはりかなり苦労しましたね。
お客様が美味しいといって食べてくださるのが一番ですから、手抜きはできません。
今以上にと思って毎日作っています。

○これからの夢や目標をお聞かせ下さい
お年寄りが気軽に買いに来てくれる、年寄りに協力できる店にしたいと思っています。
もともとお年寄りのための店にしたいと思っていたのだから、その目的を達成したいですね。
配達は、企業などには配達しているのですが、まだ個人宅の配達はやっていないんです。
これからは、お年寄りの家にも配達出来るようにしていきたいと思っています。

○最後に板橋区民のかたにひとことお願いします。
どんな高級料理も毎日では飽きてしまう。
おかずやのコンセプトは“おかあさんのつぎ”
どんなに頑張っても家族のために作った“愛情いっぱいのその家庭の味が一番おいしい”と思うんです。
だから『毎日食べても飽きない家庭の味』『おかあさんのつぎ』になれたらと思っています。

○ありがとうございました