板橋をもっと楽しく、もっと便利に! いたばしらいふ.com
いたばし検索 いたばしインフォ いたばしコミュニティ いたばしサークル・ボランティア いたばしらいふなBLOG

いたばしsearch
HOME >> バックナンバー >> 板橋な店
板橋な店
茅葺屋根の民家のある蕎麦屋 「爽風庵 槙」

常に、美味しいものを作り続ける意志と、接客への意欲が大事なんだと思います。
それがあっての、お客様のご来店なのだと感じております。


板橋区の文化財に指定されている茅葺屋根の民家のある蕎麦屋。「そばいなり」のお店。近隣の方からは「まきそば」の愛称で親しまれている、「爽風庵 槙」さん、お店のことや、板橋のいっぴん「そばいなり」のことなど、店主の小柳さんにお聞きしてきました。

茅葺屋根の民家のある蕎麦屋 「爽風庵 槙」
茅葺屋根の民家のある蕎麦屋
「爽風庵 槙」



爽やかな風の吹く庵。それで爽風庵ですね。

○店名の「爽風庵 槙」の由来からお聞かせ下さい。
このお店の敷地内に、井戸があるのですが、昔はそこから水を汲んで、野菜を洗ったり調理に用いていたんです。
現在では、その水は使えないのですが、水が湧き出る井戸のかたわらを、新緑の季節には、涼しい爽やかな風が吹き抜けるんです。
茅葺屋根の家屋に、井戸があり、緑の木々の間を風が吹きぬける様子は、とても印象深い光景だったんですね。
爽やかな風の吹く庵。それで「爽風庵(そうふうあん)」ですね。
店が2階建てですと、“庵”にはなりませんが、平屋の木造建築です雰囲気的にも“庵”ですね。
槙とは、庭の敷地内に、ご神木として槙の木が生えているんです。
茅葺の屋敷は、築300年ですが、槙の木は樹齢500年ほどになるそうです。
そこから、「爽風庵 槙」となりました。
このお店の付近の徳丸は、まだ緑が多く、農村風景の名残を留めている場所が多いので、
土地の雰囲気に馴染む、良い名前だと思っております。

○この季節にぴったりの名前ですね。

○お蕎麦屋さんを始められたきっかけは何でしょうか?
昭和40年代の経済成長の時期に創業したんです。
今も茅葺屋根の家に住んでいらっしゃる女性の方が創業されたんですが、ご高齢になられて、現在は、私どもが引き継いで10年ほどになります。
近くにお寺があり、緑も多く、商売として蕎麦屋なら、生活していけるのではないかということで創業されたそうです。
お知り合いの蕎麦屋のご主人に色々と教わりながら、蕎麦屋を開業されたそうです。

おかげさまで、板橋のいっぴんにもなっております。

○槙さんの名物にそばいなりがあるそうなのですが?
おかげさまで、板橋のいっぴんにもなっております。
創業当初は、都内でも田舎であったこの土地に、蕎麦屋を開業するからには、
何か、お客様の気持ちを引き付ける特色のあるものを出さないといけないと言う事で、
ひとつの目玉商品として開発したものなんです。
今のそばいなりが出来上がるまでに3年以上もかかったそうで、出し始めた当初から、評判の高いメニューだったそうです。
「めずらしい」「美味しいと聞いた」と言う声を良く聞きますね。

普通の揚げは、豆腐屋さんで揚げを買って、油を抜いて、それで仕込みは終わりなのですが、当店はそうではないんです。冷凍させながら、味を染み込ませて、加熱して、味を染み込ませて、また冷凍させて。と、それを数回繰り返すんです。
ダシは本鰹をたっぷりと使い、添加物なしで、味を作り出しています。
同業者の方が、真似をされようとしても、なかなか作り出せないそうです。
お金をかける訳でもない。ただ、時間をかけて、手間隙をかける。
それが、なかなかまね出来るようで、まね出来ない難しい事の様です。

○蕎麦は、自家製ですか?
そうです。自家製の手打ちです。毎朝、職人さんが手で打っています。
かなりの数が出ますので、打つのも重労働ですし、時間がかかります。年寄りには出来る仕事ではないですね。切るのだけは機械を使って切っています。

○どの様なお客様が多いのでしょうか?
昔からの地元のお客様は勿論ですが、他に、現在ではカーナビが発達しておりますから、遠くから噂を聞きつけて、車で来られる方もかなりたくさんいらっしゃいますね。
遠くは山形から来られる方もいました。千葉・埼玉・神奈川と言った近隣の方も多くいらっしゃいます。
色々な人から話を聞いていて、近くに行った時には、立ち寄ってみたかったと言うお客様も多いですね。
口コミで広まったようです。

面白い話として、ある有名な芸能人の方の楽屋の差し入れに何十個持って行ったりですとか、
アメリカから帰国される方の為に、空港に持って行く日本食の差し入れが、そばいなりだったと言う、話などを、お客様がお話しして下さいます。

○お客様の反応としてはどのようなものがありますか?
当店は、そこのところで、非常に注意している事があるんです。
お客様は、当店が提供している蕎麦が美味しい事と、接客の態度がいいからこそ、足を運んで、評価をして下さると思うんです。
どんなに、色々な評価を聞いたとしても、お褒めに預かったとしても、常に、厳しい態度をゆるめて崩してはいけないと思っているんです。
評判に安心してはいけないと感じております。
常に、美味しいものを作り続ける意志と、接客への意欲が大事なんだと思います。
それがあっての、お客様のご来店なのだと感じております。

味が最近、少しおかしいんじゃないか?作り方が少し雑なんじゃないか?
と、そう言う面まで、目を光らせておかないと、直ぐにダメになるものなんです。
美味しいから、評判がいいからと、慣れ過ぎて慢心してしまう事が一番怖いんです。
気が緩む時もそれはあります。しかし、それに注意して流されないようにしないといけないなあと、常々思っております。

○お客様の年齢層と言うのは高めなのでしょうか?
親子や家族で来られる方も多いんですよ。
若い男女で来られる方もいらっしゃいます。
年配の方に限らず、むしろ女性客の方の方が多いかもしれませんね。
昔の様な薄暗い蕎麦屋ではなく、明るい雰囲気を出すように内装も気を遣っております。
常に明るく、明るく。と言う事と、庭に照明を配置して、食べ物が、明るく美味しく、
目でも味わって頂ける様に工夫しております。
従来の蕎麦屋の雰囲気とは違いを出す為に、明るさの面では苦労しましたね。

素朴さと心地良さなんだと思うんです。

○ほかに気を遣われている事はありますか?
皆さんは、普段の日に食事に来られている訳ですから、求められているものは、素朴さと心地良さなんだと思うんです。
日曜日やお仕事が休みの日に、家族で生き抜きに来られたりするわけですから。
また、お昼時に来られる方は、お仕事を抜けられて来るわけですね。
そうすると、ゆっくりと言うわけにはいかないんです。
そう言った点で、求められているものを見極めて行く事が大事なんだと感じております。
また、観光バスやマイクロバスや乗用車など、お車で来られる方に対応する為に、大きな駐車場を備えている事も、魅力なのでは思っております。

○観光バスがくるんですか?
そうですね。少人数(20人前後)のバスツアーがあるようなんです。昼の食事は、庭を眺めながら、ゆっくりとくつろいで頂くということです。

○今後の夢や目標をお願いします。
多くの方から、板橋区に住んで、こんな店があるのに、何で今まで知らなかったのだろう。と言う声を聞きます。
また、電話でご予約される際に、当店への期待や希望を熱心に話される方もいます。
その様な、お客様の為に、当店としては、出来る限りの至れり尽くせりを提供できたらな。
と、考えております。
蕎麦の値段よりも、ゆっくりと楽しんで頂ける方法を探して行く事が大事なのではないでしょうか?

○最後に区民の方への一言おねがいします。
今の時期でしたら、一年の内で一番緑の美しい時期ですから、環境の美しさと共に、食事をゆっくり楽しみに、落ち着きに来て頂ければ、幸いです。

○ありがとうございました。




爽風庵 槙

住所:板橋区徳丸7-11-1
電話/FAX:3933-4863  
営業時間:11:00〜20:00(ラストオーダー19:30)
     休憩時間:15:30〜17:30
定休日:金曜日、第3木曜日
駐車場:8台
URL:http://www.makisoba.com/









いたばしらいふ.comとは?利用規約プライバシーについてお問合せ