---まず、設立のきっかけから、教えていただけますか?
開館は、昭和54年の5月なんです。1979年ですね。
都内でも、区立の美術館としては、ここが初めての美術館なんです。
昭和46年から、赤塚城址の周り一帯を、「教育と文化の森」として、
整備する政策がありまして、資料館、植物園など、その一環として、
美術館も建てられたんです。
---区立美術館さんと言うと、数多くの企画を打たれてますが、どう立ち上がるのでしょう?
美術の世界と言っても、ジャンルが多岐に渡りますので、その全てを美術館で、
皆さんにお見せするという事は出来ませんので、テーマを絞っているんです。
まず、一つが、江戸時代の江戸地方を中心とした古美術作品。
そして、もう一つが、池袋モンパルナスなど、戦前から戦後にかけての前衛美術が盛んだった頃の作品を収蔵しています。
当館の収蔵作品の柱が二つあり、それを元にしたテーマで、企画展を開いております。
「江戸文化シリーズ」と「池袋モンパルナスシリーズ」がそれで、その他に、
毎年夏に開催している、「イタリアボローニャ国際絵本原画展」があります。
企画自体は、数年前から発足しており、作品の調査を始め、どのような作家がいるのか。
など、作品の持っている方を探したり、お借りしたりしているんです。
展覧会の目玉となる作品がお借り出来ませんと、展覧会も成り立ちませんし、
お願いなどをしながら、細部を決めて行き、展覧会に至るんですね。
---ちなみに、学芸員さんは、何名で運営されているんですか?
2名です。それと、アシスタントが現在4名の、6名で活動しています。
---区立美術館さんの、セールスポイントは、何でしょうか?
「だれでも、ちょっとのぞいてみたくなる。
だれでも、ちょっとつくってみたくなる。
そんなたのしい、板橋区立美術館。」という、キャッチフレーズがあるんです。
区民の皆さんにとって、そんな美術館であれるようにと、励んでいます。
---区立美術館ならではの、他との違いなどがありましたら、教えて下さい。
区の美術館と言う事で、前述のモットーのように、親しみを持ってもらえるような
努力は、常にしております。他の美術館よりも、説明の文章の字を大きくして、
高齢の方も見やすいようにしたり、観てくださる方の事を、一番に考えています。
---美術館を訪れる方と言うのは、どう言った方が多いのでしょうか?
江戸文化シリーズ展やボローニャ展と、ファン層が全く違うんですね。
古美術展ですと、中高年の方が多く見えられますが、日本美術を学ぶ学生さんでしたり・・・
ボローニャ展ですと、イラストを勉強している方や、これから絵本を作って行きたい!
という、若く夢に満ちた方も、多く来館されるんですよ。
---年間で、どのくらいの方が、お見えになられるのでしょうか?
年間、約5万人ですね。
---利用者からの声というものがありましたら・・・
アンケートを取りまして、一番多い声は、「駅から遠い」と言う事でしたね。(笑)
あとは、やはり、来ていただければ、緑が多いので、「癒されました。」ですとか、
「環境の良い美術館ですね。」と言う事は、皆さんに言っていただいています。
展示室に上がっていただくと、大きなガラスがあって、
四季折々の緑が見えるのですが、これも喜ばれていますね。
---今、企画している展覧会などがありましたら教えて下さい。
江戸文化シリーズでは「谷文晁とその一門」展を、他にはブルーノ・ムナーソ展を、
現在準備しているところです。
これから、美術館でやって行きたい事としては、
美術館に興味の無い方にも、ご来館していただきたいので、
そのために、スタッフで色々と工夫して行くつもりでおります。
---区民のみなさんにメッセージがありましたら、お願いします。
モットーにあるような、気軽な雰囲気の美術館ですし、周りに緑もありますので、
散歩がてら、1日のんびり過ごす為にご来館頂きたいと思います。
---ありがとうございます!
板橋区立美術館。
確かに交通の便はあまりよくありませんが、 行くだけの価値はあります。
周 には自然も多くありますので、散歩がてらちょっと寄ってみるというのも
いいかもしれませんね。
芸術の秋!区立美術館で、アートを満喫してみませんか?