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--- 上板橋という土地に、お店を構えられるまでの経緯を教えていただけますか??
私は以前、建築関係の裏方をやっていたんです。その仕事を辞める時に、よし、自分で面白い事をやってみたいな。と思ったんです。
いわゆる脱サラですね。
その当時、大宮にジェラート屋さんがありまして、そこには色んな種類のジェラートがあったんです。これは面白いなあという思いが、ずっとどこかにひっかかっていたんでしょうね。
そこでまずはじめに、埼玉県の古い町に店を出しました。
ところがそこは、高層ビルなどがあってビル風などの問題があったんです。
そこで都内に出てみたいなと思い、探したところ、ここが気に入ったんです。
都心だと、また色々と難しいので。
--- 上板橋って、下町っぽいところがありますよね。
そうなんですよね。
ある意味、イタリアンジェラートが難しい所ではあるんですが。(笑)
逆にそれも味ですよね。
--- 開店までの、エピソードなどがありましたら。
やっぱり慣れない土地ですから、立地などはとても気にしました。
どこに高校があるとか、女子大があるとかですね。
店の工事中とかに色々と歩きまわりました。
感覚というものをやはりつかみませんと、頭で計算してもいけない部分もありますから。
また自分が土地に慣れるかどうかが、とても心配でした。
私の性格もありまして、あまり高級な町は苦手なものですから。(笑)
--- お店の雰囲気も、とても親しみやすい雰囲気ですよね。
そうですね、地が能天気なものですから、まずお客さんに安心してもらおうと思っているんです。最初は、どんな店なんだろう?って、警戒もあると思うんです。
しかし、入っていただいて、食べていただけて、味を信じていただけると、逆にこの、店の雰囲気が生きてくるんですよね。
お子さんが常連さんで、親御さんを引っ張ってこられて、一緒に楽しめるような、遊び心、いたずら心といいますか。
ちょっと遊べる部分。それを大切にしています。
--- イタリアン・ジェラートというと、やはり女性のお客さんが多いものなんですか??
やはり男性は、女性の方とは、勝手が違うのでしょうか?
男性だけで店に入るには、少し勇気がいるのかもしれませんね。
まず、買い方がわからない。
ジェラートってなんだかわからない。
とにかく、食べちゃいなさいよと。(笑)
食べてしまうと、リピーターになってくださるお客さんもいるんです。
私などもそうですけれど、最初は、フランチャイズのファーストフード店って、入りにくかったんです。入ってみれば、なんてことないんですよね。
--- この店内で全てのジェラートを作られているんですか?
いえいえ、ジェラートを作っていただいている方は、
松尾日出男さんと言う方なんです。
日本のジェラート界では、草分け的存在で、イタリアにも修行に行った方なんです。
有名なレストランなどに卸されていて、小売りはやらない方なのですが、パイロット店として私がやるから。という事で、組ませていただいて、私には全商品を出して下さっているんです。
ジェラートの種類がたくさんあるのにそれが生かされないのは、もったいないと思ったんですよ。
--- 100種類ほどのジェラートがあると聞いたのですが?
種類がありますよ。っていうのと、出せる。っていうのは、意味が違うんです。
この小さい店舗に一度に100種類は無理なんですが、年間で100種類はお出しする事が出来ます。
大体、毎日60種類以上は必ず出せるようにしております。
季節商品もあります。
今のシーズンですと、桜餅、よもぎ、ストロベリーなどですね。
季節感を大事にしながら、色々な味を大切にしております。
当店では、味見をする事も可能なんですよ。
知らない味だと、後で合わないというのがありますのでね。
選ぶ面白さというのものがありますよね。
--- イタリアンジェラートというと、アイスクリームとの違いはあるのでしょうか?
ジェラートはイタリアのアイスクリームという風に考えて下さい。
特徴として、乳脂肪分が少ないんです。
あと、カロリーが少ない。
当店のジェラートは、一般のアイスクリームの2分の1以下のカロリーなんです。
素材に、クリームとかチョコレートとか、カロリーの高いものもありますから、全部が同じという風にはいかないのですけれども。
それから、素材を大事にすると言う事ですね。
果物もそうですけれど、本物が入っているんです。
りんごでも、紫芋でも。
りんごは、種類が変わると、味も変わります。また、紫芋などは雨が多いと色素が落ちる事もあります。
ですから、季節によって、若干味が変わるんですよ。
その辺が、画一的ではないところなんですね。
このマンゴーが完熟か、フィリピン産かインド産かとかね。
そういうところからの味の違いも生まれて来るんです。
--- そういう面白さもあるんですか。奥の深いものなんですね。
やはり、卸されている、松尾日出男さんと言う方が、ものすごくこだわりのある方なんです。
売る私の方も、松尾さんとけんかのような議論をしながら、ものづくりをしております。
私も、工場に行って、あーでもないこーでもないと、話し合うんです。
そして何よりもすごいのは、全てが手作業だというところです。
主婦の方が、皮を剥いたりされているんですよ。
--- なるほど。そして、それを店長さんが売ると。
私の仕事は店内で、コンディションを整える事です。
ジェラートって、硬さが大切なんです。
大手メーカーさんのものと違い、画一的な硬さではないんですね。
例えば、シャンパンなどのアルコールや、塩などが入っていると、溶けやすいですし。
クリームチーズなどは、すぐに硬くなります。
芋類、でんぷん質も硬くなります。
マイナス20度でキープ出来れば完璧なのですが、それだけでは硬くなりすぎてしまうんですね。
なので、ちょうど食べやすい硬さになるように、ショーケースの中のものをこまめにこねて調整しなければなりません。
そういう苦労はありますね。
--- 今後の伊太利庵さんの、夢や目標というのをおきかせください。
このように、インタビューを受けたり、マスコミに取り上げられたりしますと、かなり遠くの方も来られるんです。このような町の住宅地の店ですが、普通の商品をメーカーさんから買って並べるのとは違い、職人が一生懸命作っているものを、うちが楽しく売る。っていうのかな?
その中で、お、いいな。と。
ご紹介いただいたり、遠くから来ていただいたり、
一年に1回でもいいんです。
そのようなお客さんが来てくださるのが、とても嬉しいですね。
ジェラートっていうのは、夏は、誰でも食べたいものなんです。
でも、お正月に食べたい。ですとか。
お雛様の時に、イチゴ味が食べたい。ですとか。
お誕生日に家族で食べるという事で、お店に来ていただいたりですとか、
そういう、特定の時に、選んでいただけるお店というのかな?
大事な時に、選ばれる。そういう店でありたいと思っています。
例えば、デートで彼女に告白しようって言うときに、うちの店を選んでいただいたりしたら、最高ですよね。
--- 最後に、いたばしの皆さんに一言お願いします!
「地元にも、おもしろいことはいっぱいありますよ」ですね。
遊ぶなら、新宿もいいかもしれないですが、ちょっと平和公園をぷらぷらして、劇団銅鑼さんの芝居を観て、教育科学館をみて、それで、うちの店でジェラートを食べたり。
そんな遊び方も、素敵ですよ。
なんてね。
--- 楽しいお話をありがとうございました!
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伊太利庵
【住所】
〒174-0071
東京都板橋区常盤台4-21-7
友野ビル1F
【TEL】
03-5399-3301
【交通】
東武東上線上板橋駅より徒歩約5分。
イトーヨーカドー隣。
【営業】
AM10:00-PM8:00
(夏季PM8:30まで)
定休日は店内にて掲示
【価格】
・シングル 290円
・ダブル 380円
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すごいメニューの数。
おいしそー!
その他のメニューも
ご用意できます。
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